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allein in Deutchland

97年9月19日 2日目
ヨーロッパの玄関 マイン河畔のフランクフルト

フランクフルトで足慣らし

翌朝、ホテルの朝食を食べる。予約時には(シンプルなコンチネンタルスタイル)時いていたが、実際にはハム・チーズ等は様々な種類があり、また生野菜も並んでいる。パン・コーンフレークなどを中心にたっぷり食べて幸せな気分になる。特にシリアルにかける「はっ酵乳」がおいしい(日本に帰ってから、このはっ酵乳の再現を牛乳とヨーグルトを混ぜながら試みたが、なかなかうまくいかない) 

フランクフルト中央駅

午前中は中央駅で列車を見ながらボーッとする。大きなドームが頭上に延びており、天井が高い。ドームを支える柱は古く煤けている。薄暗い駅の構内は、屋根の明かりとり窓から光が漏れてくることもあって、ヨーロッパの大型建築物特有の「風格」が十分感じられる。

大都市の中央駅であることから、駅の規模は非常に大きく、上野駅のような行き止まり式のホーム数は24番線まであり、さながら櫛の歯のようである(この他都心に直通するSバーン用の地下ホームがある)。

ヨーロッパでは機関車牽引の列車が多いため、特に行き止まりの構造では難儀があると思ったが、このような場合は機関車自体を交換してしまうことが多いため問題はない。折り返し列車が発車したすぐ後に、親の後をついてゆく子供のように機関車が引き上げてゆく。

様々なカラー・様式の客車が並び、また編成中に1両だけ異なった国の客車が混結されているなど、列車の編成は日本に負けず劣らずカラフルである。 

フランクフルト雑記:どうせまた来るかもしれない町だから・・・

2時間ほどで中央駅を辞し、フランクフルトでやらなければならない作業を片づけてしまう。この市街地の駅前通り、古いビルしかない。もっともヨーロッパの建築物の多くが5〜6階建ての石造りであり、耐久性が圧倒的によいためであろう。これらの内装は近代的に改装されており使い勝手はよくなっている。若干混じっている新しいビルは、色使いなど全体的な雰囲気は似ているが、凹凸の少ない外装なのでそれとなく分かる。

飛行機のリコンファーム(予約再確認)や代わりの靴を買って、やらなければならない作業を片づけてしまう。昼食は食堂街の中にあるチェーン店で魚フライを食べる。付け合わせなどを自由に選べるのがよい。飲食店街は歩行者天国になっており、その中にテーブル・イスがたくさん並んでいる。ドイツ人は太陽が出ている時は極力外に出たがるのだろうか。

この後は、市内を回ってから、駅の案内所に行き宿を紹介してもらい、「Hamburger Hof(ハンブルグ人の庭)」という駅に隣接したホテルにチェックイン。部屋を見ると、シングルでトイレ・シャワーつきで110DM。ここで「食事を外で食べてくる」旨を伝えて出る。

まだ日は高いので、遠回りして市庁舎(Roemer)などを見る。この周りもちょっとした広場になっており、日が落ちてきたのでビールのスタンドが繁盛している。近くにあったセルフサービスのレストランに行きサラダとフライと飲み物を取るが、このフライがチーズを揚げた物らしくて口に全く合わない。残す。アイスクリームをテイクアウトしてそれを持ったままSバーンに乗って駅前の宿に戻る。

フランクフルトの都市交通の話

ドイツの多くの都市では、交通企業(市交通局、民営交通、ドイツ鉄道)が「運輸連合」という協力組織を構成している。このため例えばフランクフルトといったエリア内では、交通機関・企業に関係なく「同じ運賃体系・約束で」「初乗り運賃を2重・3重に取られることなく」利用できるようになっている。公共交通の経営改善へのメリットはあまりないが、利用者からみれば極めて便利なシステムである。

また、こちらでは路面電車の停留所にバスがよく入ってくる。なるほど電車であろうがバスであろうが「100人くらいが移動できる箱が走る」という本質では同一の乗り物である。Uバーン(地下鉄)も多くの都市では「路面電車の地下化」で済ませているが、これなら既存の軌道ネットワークを壊さずに輸送力強化や道路空間の確保が出来る。このようにドイツの都市では、「既存の交通機関」を活用・改良して「自動車を使わなくても便利に」移動できるようになっている。

この日の朝は宿を出てすぐに市電の乗り場に向かった。見ず知らずの土地でありながら「中央駅まで行くのは19番の電車だな」と確認するのに時間がかからなかった。停留所には地図上に書かれた路線図と電車・バスの運行路線を示す系統番号が分かりやすく示してあるからである。東京のバスにも系統番号は付いているが、これが分かりにくいのはどうしてだろうか。

停留所にある自動券売機で乗車券を買う。切符は発行から1時間(切符によって有効時間は変わる)有効という約束になっており、その約束を守るという前提でドイツの路面電車・バスは全てのドアから自由に乗り降りできる。そのため乗り降りはスピーディに行われる。

Sバーン、Uバーン、市電のいずれもドアはスイッチ(ドアの取っ手に巧妙に仕込まれているものもある)を押して開ける仕組みになっている。スイッチを押すタイミングがずれると、まだ止まらないうちにドアが開いてしまう。それに構わず乗り降りすると、ひとはしの地元民みたいで格好良い。

旧式の路面電車でも走行機器は改善されており、都電荒川線のような騒音はない。また運転士が1人で車内放送までこなしている。すれ違う路面電車の中には、このまま地下線に入って行く電車やミントグリーンのノンステップの新車もある。

市内移動の途中でバスにも乗った。(エアコンを装備しなくてもよいという背景はあるが)こちらではバスもノンステップ化が進んでいるので乗り降りが楽である。

発着ゾーンが数字で指定される他、たいていの切符は発券してからの時間制限がある。
ゾーン内では、近郊鉄道も地下鉄もバスも自由に乗れる。

続き(9.20:フライブルグ・ドナウ源流まで)


更新日 2005.1.26
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