未来が壊れていく…




 その6

 

 ■危機深刻、大量の動植物が絶滅寸前■

 New! <霊長類の半数が絶滅の危機に>
 国際自然保護連合(IUCN)と環境保護団体コンサベーション・インターナショナル(CI)は08年8月5日、地球上の霊長類634種の半分に近い303種が絶滅の危機にある、と発表した。中でもスマトラオランウータン、トンキンシシバナザル(ベトナム)、オオタケキツネザル(マダガスカル)など、69種は絶滅の可能性が極めて高い。絶滅の背景には、このところのバイオ燃料ブームによって森林伐採が急速に進んでいることなどをあげている。(08年8月5日日経夕刊)

 

 <環境危機時計、過去最悪の9時31分に>
 旭硝子財団は07年9月、地球環境の破壊で人類が存続できなくなる危機の度合いを時刻で示す「環境地球時計」が、2006年より14分進んで過去最悪の9時31分になったと発表した。9時30分を超えたのは、1992年の調査開始以来初めて。環境地球時計の時刻は、世界各国の715人に環境専門家から得た回答を集計した決めた。危機の度合いは、零時1分から12時までの時刻で示し、9時1分から12時を「極めて不安の時間」としている。時刻を回答する際に最も考慮した点について、「地球温暖化」を挙げた専門家が06年よりも7ポイント増えて73%に達している。(07年9月16日日経夕刊)

 

 <オゾンホール、過去ワースト2の大きさに>
 環境省は07年8月31日、南極上空のオゾンホールの面積が06年9月の時点で、南極大陸の約2倍にあたる2929万平方キロとなり、過去2番目の大きさだった、と発表した。オゾン層は、フロンガスなどの規制によって今世紀半ばには1980年以前の状況に回復するという研究もあるが、環境省は報告書の中で「現時点でオゾンホール縮小の兆しがあるとは判断できない」としている。(07年9月7日朝日
朝刊)


 <霊長類の3割が絶滅の危機>
 国連自然保護連合(IUCN)は07年10月、霊長類の種の29%が絶滅の危機にあるという報告を発表した。それによると、霊長類394種のうち114種がレッドリストで絶滅の危機にあり、とくにスマトラオランウータン、オオタケキツネザルなど25種が危機的な状況にある。IUCN専門家グループのラッセル・ミッターマイヤー会長は「特にアジアの状況は悪い」と指摘している。(07年11月2日朝日)
 

 <絶滅危惧種増え、16306種に>
 国連自然保護連合(IUCN)は07年9月12日、絶滅の恐れがある動植物を列挙した2007年版レッドリストを発表した。今回は、ガラパゴス諸島のサンゴ、インドネシアの特定海域でしか採れないアマノガワテンジクダイなどがリストに加わり、絶滅危惧種は昨年より188種増えて16306種になった。ゴリラやオランウータンなどの大型類人猿は生息環境の悪化にさらされていて、中もアフリカのニシゴリラは最も絶滅の恐れが高い「絶滅寸前」に位置づけられた。哺乳類の4分の1が絶滅の危機に直面している。またインドなどに生息するワニのインドガビアルも「絶滅寸前」に、中国の長江に生息するユウスコウカワイルカは「おそらく絶滅」とされた。(07年9月13日日経、07年9月16日朝日)
 

 <2080年代、生物種の40%が絶滅>
 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が07年4月6日まとめた第4次評価報告書によると、2050年代には予想される気温上昇のいずれのシミュレーションの場合でも、最大で30%の生物種が絶滅し、2080年代には気温の上昇が4度を超す上限のシナリオの場合、地球規模で40%以上の生物種が絶滅する見通しだ。(07年4月7日朝日朝刊)
 

 <地球の生物種の20−30%が絶滅危機>
 国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は07年2月9日、地球の平均気温が1.5度−2.5度上昇した場合、生物種の20%−30%が取り返しのつかない絶滅の危機にさらされる、という新たな見解を提示した。アジアでは30年後に30%のサンゴ礁が消失する。これに先立つ07年2月1日、IPCCは、今世紀末には地球の平均気温が20世紀末に比べて、1.1度−6.4度上昇するという予測を発表し、その予測幅の中で確率が最も高い数値を1.8度−4度としている。(07年2月10日日経朝刊)
  

 <地球は大絶滅時代に突入>
 米の民間シンクタンク「ワールドウオッチ研究所」が03年1月に発表した地球環境白書によれば、過去500年間に絶滅した128種の鳥類のうち、103種は1800年からの200年間に絶滅が集中しており、最近の絶滅の速度はそれまでの50倍に早まっている。鳥類の絶滅は、生物全体の危機を反映していて、世界の哺乳類の4分の1が危険にさらされたり絶滅に瀕している。また爬虫類の25%、両生類の21%、魚類の30%に絶滅の恐れがあり、「現在の世界は6500万年前の恐竜絶滅以来の、生物大量絶滅期に突入した可能性がある」としている。(03年1月11日毎日夕刊)
 
    
 <絶滅種の数は自然状態の100倍>
 国連環境計画(UNEP)が07年1月4日までにまとめた地球環境白書案によると、環境の悪化による生物の絶滅は急速に進んでいて、絶滅種の数は自然状態で見込まれる数の100倍に達している。また野性生物の総個体数もこの20年間で40%減少している。(07年1月5日日経朝刊)
 
 <どんどん増加する絶滅危機種>
 国際自然保護連合(IUCN)が2002年10月公表した「レッドリスト」によると、絶滅の危機にある動植物は1万1167種にも上り、2000年に公表されたリストに比べて2年間で121種増加した。とくに哺乳類は24%、鳥類は12%が絶滅の危機にある。両生類も絶滅危機種は1996年の段階から12種増えて30種となっている。(02年10月9日毎日)
 
    
 <海の酸性化で生態系は大打撃>
 世界各国で最近になって注目を集めているのが、温暖化ガスとして知られるCO2(二酸化炭素)が、広範囲にわたる海水の酸性化をもたらし、プランクトンの殻やサンゴの骨格などを溶かして、生態系に大打撃を及ぼす可能性だ。海は大気に放出されたCO2の約3分の1を吸収していて、現在の海水はpHが8.1と産業革命当時より約0.1酸性化している。大気中のCO2が年に1%ずつ増えていった場合、今世紀末にはpH7.8まで酸性化が進むと予測されている。日本を含む国際共同チームが05年にまとめた報告によると、2050年ごろには大気中のCO2濃度が500ppmになって南極海の一部で生物体の体を作っている炭酸カルシウムが溶け出す。今世紀末にはCO2濃度が780ppmになって、南極海全体と北太平洋の一部にまで酸性化の被害が広がる見通しだ。(07年1月23日朝日)
 
    
 <オランウータンの生息地、25年後に大半消滅>
 国連環境計画(UNEP)は07年2月6日、インドネシアのスマトラ島とカリマンタン(ボルネオ)島で、現在すでに絶滅の危機に瀕しているオランウータンの生息地の大半が、25年後の2032年までに消滅すると警告する報告書をまとめた。この2つの島の熱帯雨林の98%が2022年までに消滅するという予測に基づいたもの。熱帯雨林が消滅する主因は、国際的な木材需要の増加による国立公園内での違法伐採という。(07年2月7日日経夕刊)
 
    
 <イエローストーンのハイイログマが生存危機>
 ロッキー山脈にある米の国立公園イエローストンでは、冬の気温上昇によって、針葉樹に寄生する昆虫が繁殖し、樹木の立ち枯れが目立っている。針葉樹の種を主食にしているグリズリーベア(ハイイログマ)の生存が脅かされ、生態系に変化が生じる危険が指摘されている。(06年9月2日日経夕刊)

   
  <2020年には世界のサンゴ礁が消える>
 温暖化による海水温の上昇でサンゴが死滅し、その後に白くなる「白化現象」が各地に広がっている。インド洋のモルディブや太平洋全域でサンゴの死滅が進んでおり、米環境団体のシエラクラブは「2020年までに世界中の海からほとんどのサンゴ礁が姿を消す」と警告している。(06年9月2日日経夕刊)
 
 <40年後には食卓から魚が消える>
 カナダや米国などの国際チームが06年11月3日発行の米科学誌サイエンスに発表したところによると、海洋汚染や乱獲を放置しておけば、40年後には食卓から海産物が消えてしまうかも知れないという。研究チームは日本近海を含む世界64カ所の海域で魚や貝類などの量の変化を解析。その結果、03年の時点で、捕獲されている魚介類のうち29%の種で、漁獲量が最盛期の1割以下に減っていることが分かった。この傾向が続けば、2048年には魚介類のすべての種が同様の運命をたどることになるという。
 
 <2050年までにホッキョクグマ3分の1に>
 米地質調査所(USGS)は07年9月、温暖化による北極海の氷の溶解で、ホッキョクグマの生息数が2050年までに3分の1に減少するという予測を公表した。氷の溶解はこれまでの予想を上回るペースで進んでいて、USGSは今回の予測は「控えめな見積もりだ」としている。(07年9月11日朝日)
 
 <20年以内にシロクマ絶滅の危険>
 WWF(世界自然保護基金)は05年1月29日、地球温暖化が急速に進んだ場合、20年以内にもシロクマ(ホッキョクグマ)やアザラシの仲間など、北極の多くの生物が絶滅する危険がある、と発表した。とくに夏季の北極の氷が減少し、生態系や先住民の生活に大きな打撃を与える、と危惧している。
(05年1月31日日経)
 
 
 <米がシロクマを絶滅危惧種に指定>
 米内務省は06年12月27日、シロクマ(ホッキョクグマ)を絶滅危惧種に指定すると提案した。北極海の氷はこのところ、10年間で約10%ずつ融けて減っており、米国立大気研究センターは、このまま温暖化ガスが増えていくと2040年夏には大半が融けてなくなる、と試算している。氷はシロクマの餌場であり、子育ての場でもあるため、氷が融けることはシロクマの生息環境に大きな脅威となっている。(06年12月28日朝日夕刊)

 
 <シロクマ、各地で減少続く>
 国際自然保護連合(IUCN)の専門家グループによると、北極域に暮らすシロクマ(ホッキョクグマ)の数が、温暖化などによって生息海域が減少していることが原因で、各地で減っている。グループは19の個体群について、生息数とその変化を分析したところ、十分なデータが揃っていた12の群れのうち5つで数が減少しており、中には過去20年間で22%減った群れもあった。(06年12月28日日経夕刊)

 
 <シロクマの子、生存率が激減>
 米地質調査所アラスカ科学センターの調査によると、アラスカのシロクマ(ホッキョクグマ)の子どもの生存率が激減していることが分かった。温暖化による海氷の溶解が原因と考えられるという。それによると、アラスカ北岸からカナダに広がるボーフォート海の、生後1年のシロクマの生存率は、80年代後半から90年代前半では65%だったのに対し、最近の5年間では生存率が43%となった。(06年11月21日朝日夕刊)

 
 <コンゴの国立公園でカバが絶滅寸前>
 コンゴのビルンガ国立公園で、乱獲のためカバが絶滅の危機に直面している。かつては約3万頭が暮らす世界最大の生息地だったが、90年代以降は内戦による食糧難などのため乱獲され、現在はわずか600頭余りにまで減った。コンゴ自然保護協会(ICCN)によると、06年10月にドイツのNGOと共同で上空から調査したところ、公園全体で629頭しか確認出来ず、この1年間でも3分の2に減った。
 国際自然保護連合(IUCN)によると、カバは世界の36カ国に計12万5000〜15万頭が生息しているとみられ、このうち20カ国で減少している。全体の頭数は、94年に比べて約7%減っている。(06年12月29日朝日)
 
 <今世紀中に鳥類の14%が絶滅か>
 米スタンフォード大の研究チームは、最悪の場合で世界の鳥類の14%が、気候変動や森林破壊によって今世紀中に絶滅する、という予測を発表した。現存する9787種と絶滅した129種について生息分布などを詳しく調べ、2100年までの推移をまとめた。最も楽観的な予測でも6%の鳥類が絶滅する。鳥類の激減によって、感染症や農作物の害虫被害が拡大し、人間の生活にも大きな影響が及ぶ、としている。(04年12月16日朝日夕刊)
 
 
 <50年後には動植物の2−3割絶滅か>
 英国や豪州などの14の研究機関が共同でまとめ英科学誌ネイチャーに発表した予測によると、地球温暖化によって2050年までに欧州、豪州、アフリカ、中南米の約1000種の動植物のうち、18−35%の種が絶滅する恐れがある。中でも豪州のチョウは最大で半分の種が絶滅し、欧州の鳥も4割が絶滅の危機にさらされる。(04年1月8日朝日)
 
 
 <大型類人猿は10年−20年で絶滅へ>
 絶滅の危機がとりわけ迫っているのが、ゴリラ、オランウータン、チンパンジー、ボノボなどの大型類人猿だ。アフリカ、マレーシア、インドネシアの一部に限られている生息地では、先進国主導による森林伐採が進み、貧困を背景とした食肉用の密漁にも拍車がかかっていて、これらの大型類人猿はあと10年から20年で絶滅してしまう、と危惧する研究者は多い。(03年12月28日日経)
 
 
 
 <生物大量絶滅の第6波が始まった>
 英国王立協会会長で2001年のブループラネット賞を受賞したロバート・メイ氏によると、地球では過去5回、生物大量絶滅の大波をかぶっているが、このところの地球環境破壊によって、地球の生物は第6波ともいうべき絶滅の大波の只中に入った、としている。同氏によると、過去100年間の生物の絶滅はそれ以前の100−1000倍の速度で進み、種の寿命は1000分の1に落ちている。このままでは種の多様性が失われ、人類の生存基盤は危うくなる、と見る。(01年12月24日日経)
 
 <野鳥1186種が絶滅の危機に>
 熱帯林など生息地の環境破壊の急速な進行に伴い、全世界の野鳥の12%にあたる1186種が絶滅の危機にあることが、世界80カ国の鳥類保護NGO(非政府組織)の連合組織「バードライフ・インターナショナル」の調べで01年3月、明らかになった。6年前の調査に比べ、絶滅危機の種は75種増えている。日本では、ノグチゲラ、シマフクロウ、ヤンバルクイナなど32種が絶滅の危機にある、としている。
 
 <今世紀中頃にベニザケ絶滅?>
 世界自然保護基金(WWF)が99年6月公表した報告書によると、温暖化による海水温の上昇により、水温の変化に弱いサケ類が大きな危機に直面する。とりわけベニザケは冬の海水温の上昇に弱く、21世紀半ばにはベニザケの生息適地がほとんどなくなって絶滅する可能性がある、としている。
 
 
 <30年後、哺乳類の4分の1が絶滅か>
 国連環境計画(UNEP)は02年5月22日、世界各国が環境と開発に関する政策を大転換しない限り、30年後には地上の土地の70%が乱開発の影響を受け、哺乳類の種の4分の1が絶滅する、という「地球環境白書」を発表した。白書によると現在、鳥類の12%にあたる1200種、哺乳類は4分の1にあたる1130種が絶滅のの危機に瀕しており、森林破壊や環境汚染によって30年後にはこれらの多くが死に絶える危険が大きい、としている。(02年5月27日毎日)
 

 
  このページの文章やデータを無断で複製・転載することは出来ません。転載を希望される場合は事前にメールでご連絡下さい。