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単語力 と 英語力

 一般的な英語力を測るのに、"英検" とか "TOEIC" のグレードやスコアを判断材料に用いますが、これらの基準と語彙力を比較調査した研究がいくつかあります。
ネットで検索すれば、それぞれの詳しい内容を知ることができますが、結論として、単語力・語彙力は、まさに英語力に直結する相関性を持っていると言う事が判ります。
それも、英語学習の初歩段階ほど、この傾向は顕著に表れます。(重要な単語・語句が多いから)
ここでは英検のグレードと比較して考えてみましょう。

英検3級までは、1000語の世界です。現在の公式サイトでは、目安となる語彙数を示していませんが、以前は、各レベルの数字を、それぞれ挙げていました。しかし、実際は、それよりも2、3割少なくても合格できるでしょう。
5級で、300語、4級で600語、3級で1000語です。中学3年間で所定の1000語を覚えれば良いことになります。
もちろん、それ以下でも、合格できる場合があります。リスニング問題で高得点を上げることができれば、筆記問題の得点率が5割以下でも合格できるからです。リスニング問題では、3級レベルで使用される語彙の種類は、限られていますから、500語でも大丈夫でしょう。

さて、3級までは、1000語の世界で、しかも日本でカタカナ英語として馴染みのある単語もかなり有りますから、ある程度の学習習慣があれば、無理なく覚えることができます。しかし、その先に進むと、日本では高校英語になりますが、単語の数は一気に増えてきます。準2級で2000語、2級で3500語です。ついでに準1級で6千語、1級で1万語以上としておきましょう。(英検公式サイトの挙げる目安は、この倍近くになっています)
これらの単語を、音で理解する・聞いて瞬時に理解できる段階まで修得していれば、この数で十分だと思います。

ところで、これで十分は良いとして、この4000語、6000語、そんなに簡単に覚えることができるでしょうか? 高校の3年間で、4000語、5000語を覚えるなんて、実のところ不可能な数字です。もっとも、意味だけなら可能かもしれませんが、リスニングできるレベルまでとなれば、日本で、普通の高校に通う限りは、無理な数字だと思います。
だから、もしこれを実現しようと思えば、小学生、中学生の間に、3500語をクリアすることが求められます。それができれば、高校で残り2500語になりますから、可能性が見えてきます。
小学生の間に1500語、中学生で新たに2000語、高校でさらに2500語を加えれば、合計6000語になります。
このペースで英単語を習得できれば、高校生で準1級レベルの英語力、実用英語の土台となるものが完成できます。

では、必要な英単語力を習得する為には、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
英語を学ぶ小学生が、どれだけの英単語を習得できているかを意識して学習を進めているケースは稀です。まして具体的な数字を目標に挙げて、それを達成させるための取り組みなどは、まずないでしょう。
試しに、何年も英語教室に通っている小学生のお子さんがいれば、簡単な語彙力テストを行えば判ります。テスト結果をみて、習得語句のあまりにも少ない数に驚くのが普通だと思います。
4年も5年も…英語に慣れ親しませながら、わずか500語も覚えていない小学生が大半です。これでは、中学で発展させることはできません。
小学生が自分から意識を持って、必要な数の英単語を覚えることはないでしょうから、教える側が目標を与えてやらなければなりません。1年間に覚える単語を決めて、定期的にテストで試し、英単語習得への意識を高めるようにします。
英単語は、学習者のレベルに合わせ、重要度や、実際の会話、文章で使用される頻度で、既にはっきりと分類されていますから、300語レベル、500、1000、1500…と、3500語レベルまでは、みごとに段階的に統一されていると言えます。どの単語教材を選択しても、ほぼ同じ語句が並んできます。
だから、小学生からどんどん覚えて行っても、何の不安もありません。やがては覚えなければならない英単語なのです。
中学3年間で、3500語は、まず不可能ですが、小学校からの7年間、8年間なら、明確な意思に基づいた計画さえあれば十分可能です。
想像してみてください。中学生で3500語の英単語習得、それだけで、中学生としては素晴らしい英語力です。その単語力にみ合った英語力が、必ず付いているからです。
これを実現するのは、なにも難しい事はないのです。長期継続に必要な年数と、しっかり意識された計画があればできます。

中学生で3500語、これがその後の英語力を決定する数字と言えます。実現できれば、もう英語につまずく事などありません。英語に関しては、その子の望む頂点を目指してどんどん登っていけます。その成果が、英語力は単語力であることを証明してくれるでしょう。
500語は500語の英語力です。1000語は1000語…、まず3500語、そして、6000語です。
6000語の英語力、英語の好きな小学生、中学生、高校生達に、託してみませんか!





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