ネット関連サイトの投稿などでは、早期英語で、幼稚園児、小学１年生　の英検４級、３級合格　などが、取上げられていますが、このような意見には、素朴な疑問があります。
　まず、誰もができることでは、ありません。これが可能なのは、極少数の、幼児期から、特殊な英語学習環境がある子供に限られます。
　一般的には、できることでは、ありません。
　多くの子供にとって、幼児期からの英語学習は、その子の将来の英語能力（中学･高校）とは､関連しません。
　むしろ、リスクが　有ります。その後の英語学習に対しても、また　その他の面においても、マイナスに働く　リスクが有ります。
　なぜなら、言葉の修得は、実際経験と結び付いて、初めて　生きたものとなるからです。
　子供の、豊かな表現力は、それだけ、子供自身の　豊富な　実体験によって　培われます。
　幼児期から、毎日、英語学習に力を入れると、当然、生活の他の部分が　削られます。遊び感覚で、すませておく程度なら、良いのでしょうが、英検合格を目指すとなると、どうしても　そうなります。
　英検３級のレベルは、国語に置き換えれば、小学校３、４年生の会話レベルです。もちろん、使用語句は、ずっと　少ないですが、表現内容は、そんな程度です。
　しかし、小学校３年生まで、子供は、８年間の生活体験を蓄積しています。自由に、のびのびと、年齢に応じ、様々なものを、新鮮な感覚で吸収し、その子独自の　個性の基を形成していきます。幼児期から、児童に成長していく過程の子供にとって、この大切な時期は、決して、短縮できないのです。
　５年､６年の体験で、８年間の生活経験を埋め補うことは、大人には、なんでもないことでも、子供には、できません。してはいけないことだと思います。
　幼児期の１年は､健常な子であれば、成長に不可欠な、同じ様な内容を持った１年であって、どんなに優秀な子であっても、２年分､３年分には、ならないのです。

　小学生になってから、英語学習を開始しても、将来、十分な英語力を付けることができます。学習する英語の内容と、子供自身の年齢が相応してきます。日本語と､英語が、つりあいのとれたものとなり、学習も進め易いです。
　どうして、リスクを負ってまで、幼児期から、急ぐ必要が　あるのでしょう。
　歌や､遊びで、済ますのが、適切だと思います。将来の英語力とは、結び付けて考えないことが、大切です。
　今、英語を学んでいる子供達が、実際に　その英語を使うことを求められるのは、多くの場合　18歳を過ぎてからです。もちろん、中学、高校での留学もあるでしょうが、その場合は、学習期間です。
　で　あるなら、18歳から逆算して　学習開始年齢を割り出してみましょう。
　初めて英語を学ぶ段階から、英検1級レベルの段階に達するまでの必要期間は、10年です（21 ON NET　のシステムで）。
　つまり、7歳、8歳　で始めて、十分　まにあいます。この方が、学習内容と年齢が相応して、とても効果的に　力を付けることができます。
　幼児期から始めると、しばらくして　２〜３年の空白が　多くの子供の場合　出てきます。長い場合は、それっきり　英語に拒否反応ができてしまうこともあるでしょう。大変なマイナスです。失うリスクがあまりにも多く、実りの少ない行為に思われます。
　将来を考えた　本格的な英語学習は、小学生になってから、５年､１０年　継続する覚悟を決めて始めることが、最も効果的で、失敗の無い方法だと、強く主張します。

　補足
　よく、英語耳、と言って、３歳までに、英語を聞き取る能力が決まるとか、発音をネイティブなみにできるのは、３歳まで…　と、早期英語の有用性を説明する方がおられます。
　これも､素朴な疑問、　ほんとうに、ネイティブ並みの発音が　必要でしょうか？
　私達は、日本人です。日本人の英語で、構わないのでは、ないですか？　思い返してください。日本人と変わらない日本語を　話す外国人が、どれほど多くいますか？　流暢と思われるレベルの外国人でも、日本人と比べれば、とてもクセのある日本語です。ハーフ以外には、難しいことです。
　英語を話せる日本人の英語は、それと比べれば、ずっと　クリアな英語を話しています。何も恥ずかしくありません。
　こんなことを言った人がいます。
　"ネイティブ以下の会話力でも、教養の低いネイティブよりも、優れて高い英語力"
　今日、日本人に要求されるのは、優れた国際性です。　ネイティブなみの日常会話力が　有っても、教養の低いネイティブ並みの英語力では、国際人とは呼べません。
　これからの子供たちが目指すものは、国際社会で、日本人を代表することのできる　内面的資質と、国際性の２つだと思います。
　現在､国際的に、様々な分野で、一流の活躍をしている人達、また、国内でも、英語を話すことのできる人達は、ほとんど　中学から　英語学習を始めた方達です。帰国子女とか、両親が国際結婚　とかは、極一部です。それでも、十分な英語力をもっています。
　確かに､時代は、速いテンポで　グローバル化が進展しています。今までよりも、より多くの日本人が、高い英語力をもつことが　要求されています。
　だからこそ、現行の　中学からでなく、小学生からの早い段階で、本格的な英語学習を進めることが、必要だと　私は考えます。
　高校卒業までの、１０年間で、普通に英語を学習して、のぞむ子　誰もが、英検１級レベルの英語力を身につけて、社会に巣立って欲しいと思います。
　私達は、そのために、最大の努力をはらう決意です。


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