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小学生からの英語学習・その目的と利点

 小学校からの英語教育を考える場合、現在の私達を取り巻く 時代環境、国際環境 については、共通の認識がなければなりません。
 この認識が欠落していたり、誤っていては、的外れな議論に終わってしまいます。
 今の日本が置かれている環境は、誰が見ても 経済的には、グローバルであり、ボーダーレス であることは、論議の余地がありません。
 文化、科学、スポーツ、地球環境、国際政治 など、グローバル化がどんどん進んでいます。情報通信の発達に相まって、その加速度は増す一方です。
 その中で、いろんな国の人との共同作業が、様々な分野で、日常的に生まれてきます。その場合に必要なものの第一は、共通の言語です。その言語は、間違いなく英語だと言えます。


 言葉は、文化の大きな要素ですが、また 文明の証左でもあります。
 今日の 現代生活を維持するうえでの 文明的なるもののほとんどが、アメリカ、イギリスなどの西欧文明の所産です。そして、そこで共通に使われている言語が 英語であることも 誰も否定できない事実です。
 日々刻々、新たに生まれてくる 知識や技術、新しい商品 は、殆ど 英語でのネーミングがなされています。これを 誰が否定し、無視できるでしょうか?

 国語の重要性、これは 当たり前のことです。国民性、民族、歴史、文化、毎日の生活、一人一人の心、全て 母国語から生まれてきたもの 生まれるもの、 と言ってよいでしょう。
 この母国語は、国語の学習時間の中だけではなく、生活のあらゆる部分で、育まれるものです。
 この母国語と、英語を対比させて議論することは、次元の違うものを 同列に扱うことになります。意味がありません。
 国際語としての英語は、言語を異にする人々の間の、情報伝達、情報交換の技術・技能 だと言えます。母国語と比べれば、はるかに下のレベルの問題なのです。もちろん 個々の内面の相互理解も含んでいて、重要なことですが 母国語とは 比較になりません。国語か、英語か の議論は全くもって無意味です。


 現代日本人は、国民的規模で、この国際言語(技術)の一定レベルの習得を、世界から要求されていると 理解すべきです。日本が、国際社会で重要な立場にあるがゆえに、そうした要求がいっそう強まるのです。
 これを無視して、国際語としての英語を、将来 国民規模で修得できなければ、21世紀の日本は、悲惨な姿になるでしょう。アジア大陸の東海に浮かぶ、貧しい小国、世界から 経済支援、生活援助を受ける国になるやもしれません。
 日本が、21世紀を、新しい技術、知識で、世界をリードして、人類の未来に、永続的な豊かさを実現できる 平和大国になるためのキーワードこそ、英語だと言っても良いと思います。
 私達は、まず この共通認識に立って、日本の子供たちへの英語教育の是非を考える必要があります。


 現在の教育問題・学力低下の原因

 以上、一般論として 小学生への英語教育の必要性について 述べました。
 次に、個々の生徒の問題として、考えてみましょう。

 現行の 中学からの英語教育では、英語に振り向ける学習時間数、入試対策としての英語勉強 など、いくつかの問題があって、今日 社会的に要求されている英語能力を 3年間で習得するのは、はなはだ困難な目標だと思います。
 例えば、英検のグレードを取上げても、5級〜1級まで、7段階あって、中学入学から 英語学習を始めた生徒では、せいぜい3級までが 実現可能な目標です。
 しかし、英検3級レベルでは、今日の社会状況では、実用的な英語能力には ほど遠い内容と言わざるを得ません。
 そして、高校生の段階になれば、大学進学を目指す生徒にとっては、ますます 受験準備に追われ、実用英語修得への関心は、ほとんど 生まれてきません。センター試験のリスニングテストなど、実用レベルには、あまりにも低すぎる内容です。
 このような事情を考えれば、中学からの英語学習開始 というのは、今日の社会状況には 到底 合わなくなっていることを 認識しなければなりません。

 実用にかなう英語力として、中学で、英検2級、または 準1級までの英語力を目標にすれば、当然 それ以前の段階は、小学校で学習しなければなりません。つまり、3級レベルまでの英語力を 小学校段階で習得することになります。
 小学校で、4年間なり5年間を使って、英検3級レベルまでの英語力をつければ、中学で使われる英語教材の内容も 中学生年齢に相応したものが使えます。1年生から、生きた英語、リアルタイムの英語を使うことができます。そうすれば、中学で2級、準1級が 可能になってきます。

 このように言うと、今でも大変な 中学生の英語学習における負担が、より、さらに増えるように思えるかもしれませんが、事実は 逆です。
 なぜなら、語学学習の困難さは、その入口、初歩段階が、最も大きいのです。入ってくる全ての情報が、未知の 未経験のもので、毎日 大量に吸収整理しなければ ついていけない、さらに、そのための十分な時間が無いとすれば、解らないことの拡大再生産が続きます。現行の中学3年間の英語の実態は、まさに その事の証明にほかなりません。
 しかし、小学校で、時間的な余裕をもって 英語の基礎部分を修得すれば、中学での英語は、とても落ち着いた学習パターンで、知的な興味・楽しみを加味して 学習を進められます。
 丸暗記や、次から次と ややこしい文法の整理に追われることもないのです。

 このような 学習における変化は、生徒の英語の学力だけでなく、他の教科にも 大きなプラスをもたらします。
 現在の中学生にとって 英語は、毎日の家庭での学習に、かなりの時間を割かなければならない教科になっています。単語調べなど 事前の予習は必要ですし、復習にも時間がかかります。単語の暗記などは、それなりの工夫が要ります。勉強に積極的な生徒にとって、英語の学習は、全学習時間の50%以上のウエートを占めるのではないでしょうか。
 その大変な労力が、もし 小学生の段階で 英検3級のレベルにあれば、中学では、二分の一、三分の一に 軽減できると思います。それでも、学習効果は、十分に得られるはずです。
 その分、数学や、国語、理科 など 他の教科に振り向けることができます。
 現在よりも、学力アップは、まちがいありません。
 まさに、小学生からの英語学習の開始は、現在 問題になっている学力低下の 一つの解決法にもなるのではないでしょうか。

 また、小学生から、英語学習を始めても、決して他の教科学習に マイナスをもたらすことなど あり得ない事を断言します。
 それは、学習方法の問題であって、小学生の生活に適した 家庭での 優れた英語学習システムがあれば、解決できるからです。決して、他の科目の学習に しわ寄せが出ることは、ありません。
 今や、新しい学習システムを使って、楽しく、悠々と 英検合格を目指して、毎日の英語学習を継続している子供たちが、現れています。
 1年後、2年後 そして 中学へ進んで、彼らが その方法を選択したことの正しさを きっと 満面の笑顔で、証明してくれることでしょう。
 それを確信して、小学生の英語学習を 今後とも 積極的に推進していきたいと思います。

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