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まず、富士山! そして、エベレストへ!

 子供が、言語能力を身に付ける過程を考えてみると、母国語では、日常会話の大部分は、小学校6年・12歳ぐらいまでに習得します。それ以降は、難しいことば・語彙が増え、また、内容的には、知識量が増えれば、それにつれて、より広範囲な生活・社会についての会話ができるようになります。

そして、学校生活が終る頃から、話される言葉は、それぞれが属する社会環境に著しく影響されるようになります。これ以降は、属する環境・社会によって、会話内容に大きな個人差が生じてきます。

 そこで、外国語として英語を学習するに当たって、どの程度までを目標にするかは、勿論、個人によって違うでしょうが、少なくとも、12歳レベルまでは、会話の基礎と言えるものであるから、各人共通の目標設定が可能だと思います。

 母国語の場合は、12歳までに覚える単語・語彙は、一般共通的なものだけに限っても、5000語以上有ると思われますが(ちなみに、小学生用・国語辞典の収録語数は、2万語〜3万語ぐらい) 外国語としての英語を学ぶ立場では、2000語ぐらいを使いたいと思います。

 中学で学ぶ必要のある単語数は、約、1200語ぐらいです。関連語を 800語ぐらい加えて、当面、2000語をファーストステップに設定しましょう。 これを、小学6年までに修得します。

 これを山登りに例えて、ファーストステップは、富士山にします。その頂が、2000語を使って、自由に、英語を聞いて、話せる目標到達点となります。
 富士山は、裾野が長く、おそらく、学習の中頃までは、なかなか前に進んでいる実感がわかないと思いますが、大人なら諦めてしまうこの状況を、小学低学年なら、飽きることなく、諦めることなく続けられるでしょう。

 大人は、計算を立て、先を見がちですが、子供は、今の状況だけに夢中になれる特性をもっています。楽しく学習できる工夫さえあれば、子供は、どんどん、続けます。

 そして、中腹を抜けると、後は、英語を使える事自体の楽しさと、満足感で、よりいっそう、学習に励みが出てきます。学習効果も目に見えて上がります。そうなれば、もう、富士山の頂に到達できる事は確実です。こうして、ファーストステップは、無事終了できることになります。

 さて、一見、簡単に終了できそうな雰囲気で述べてきましたが、この事を実現するには、実は、延べ 2000時間以上の学習が必要です。( できることなら、中学卒業までに 2000時間 やり終えます )

 その内の半分は、リスニング・スピーキング練習に充てなければなりません。つまり、具体的な数字をあげると、毎日・30分 のレッスンを6年間、ほとんど休むことなく続けると言うことです。考えてみれば、実に大変なことです。なにせ、小学生ですからね・・・。

 これを可能にするには、よほど、しっかりしたカリキュラムと、個々の家庭で楽しく学習できるシステムがなければなりません。しかも、リスニング・スピーキング中心に作られたシステムです。

 また、子供一人で、自習できなくてはいけません。時々、先生や親が指導することはできても、毎日指導してあげられる家庭は、余程特別な家庭でしょう。99パーセントの家庭では、無理な話です。だから、一人でできなくてはいけない。そんなシステム、今、思い当たるものが有りますか? 有れば結構ですが・・・。
 まず、日本中探し回っても、なかなか見つからないと思います。

 だから、私達は、数年前から、そんなシステムを作り始めました。
 このシステムを実現可能にしたのは、I.T 革命の結果があるからです。ウィンドゥズ 98 以降の成果です。
 パソコンの家庭への普及があって、リスニング・スピーキングレッスンが行えます。本当に素晴らしいことです。

 しかし、どんなにハードやソフトが進化しても、2000時間は、残ります。この学習時間は、これ以上縮められない最小限界なのです。この数字がどうして出てきたのかは、前章で説明しました。 5万 時間の母国語学習時間を、2000時間に縮めたのですから・・・。1/25ですよ。

 この 2000時間をやりきる覚悟の無い生徒は、英語を自由に使えるようになることは諦めてください。あとは、高校入試のために勉強するのみです。

 もっとも、2000時間を、そのまま 中学、高校にスライドさせても構わないですが、そうなると、入試・受験の準備学習で、時間が益々取りにくくなります。その時期に、リスニング・スピーキングに多大な時間を充てる余裕は無いのではないでしょうか・・・。遅くとも、10歳・小学4年生頃から始めるべきです。


 今、たくさんの子供を対象とした英語教室、英会話教室が有りますが、一通り、英語・英会話の能力を修得するのにどれだけの時間を要するか、答えられる教師や、教室がほとんど有りません。残念ながら、今まで、こども英語では、その事をほとんど考えた事さえ無いのですから。

 中学では、学習指導要領で、ある程度、しっかりと規定されていますが、これで適切かどうかは別にして、とにかく、ひと通り 英語力を身につけるための 学習カリキュラムが考えられています。 当然です。 ところが、この当然なことが、小学生では、なされていない。公教育での受け皿ができていないために・・・、だから、大半の幼児・児童向けの英語教室は、ただ英語の入り口・紹介、それだけで終ってしまうことになります。これでは 早くから英語学習を始めても、せっかくの努力が 次に活かされない、芽生えたものが、成長を止めてしまう・・・とても残念なことです。

 受験・入試の為の英語なら、小学6年生からで十分間に合います。中学3年生までの4年間で、時間にして、家庭・学校合わせて、600〜700時間ぐらいでしょうか・・・。単語や文法は、これでバッチリです。だから、受験のためだけなら、小学低学年から英語を学ばせる必要は無いのです。
 早くから、英語を学ぶのは、将来 こどもの英語力を大きく伸ばす為のはずです。

 街中の、ほんの一部を除いて、子供の、英語学習に於ける将来展望・計画を持たない 英会話教室は、厳しい言い方ですが、ただ、英語のコマーシャルを流しているだけの感がします。
 親や、子どもに人気のある、ネイティブやバイリンガルもいいかもしれませんが、実のところ、あいさつや、歌や、ゲーム遊びで終了していては、先につながるものが無いでしょう・・・。

 英語教育 と 看板に うたうなら、少なくとも 中学終了まで、たとえ幼児期の英語学習であっても、そこまで見通したものであるべきです。1年、2年 で止めてしまって、あとはどうするのですか・・・?
 こども英語教育に携わる者にとって、生徒が、将来 英語のできる子・"青年" に育ってもらうのが 異論の無い共通の目標であるはずです。だったら、自分が直接かかわることができなくても、その先の正しい道筋、行き先地図は、与える責任があります。それが出来ない現状は深刻です。公的、私的 共に、関係者は真剣に考えるべきです。

 こんなことを何時まで続けても、アジア主要30カ国中、中学生・高校生実用英語力 29位 の現実は改善されません。30位は、北朝鮮ですよ・・・。実質、最下位です。

 これを解決するために、まず 出来ることから始めましょう。具体的には、かかわる全ての子供たちを、小学生の間に、英検3級の力まで導いてください。あるいは、その基礎を築き、その先は、あなたが信頼できるものに、バトンを渡してください。それを 自らのノルマと課して、責任を持ってください。3,4歳〜5,6歳で終了。 後は 知らない型の 無責任を取り払って。
 これなら、はっきりした将来展望が見えてきます。

 小学生の内に英検3級 ではなくて、中学終了時に英検3級 では どこがいけないのか? 中学生になってからでも、普通に勉強すれば 3級に合格します。でも、その程度の英語力では、実用能力には程遠いのです。3級は 実用能力に進むための基礎ができた段階です。
 しかし、高校生になれば、大半の生徒にとって 会話やリスニングなどの 実用的な英語学習に取り組む時間がありません。結局のところ、ほとんどが 3級レベルの力で終わってしまいます。
 だから、小学生の間に3級に進むことが重要になってきます。
 小学生 あるいは幼児から、英語を学ばせるのは、高い目標があるからでしょう。なにも、幼児や小学生の間だけ 英語ができれば良い などと考えている親は いないはずです。将来、1級のレベルを目指すからこそ 早期から英語を学ばせる必要があるのです。原点は明確です。中学では、時間的に遅すぎることになります。

  お母さん達! 本気で、子供たちに 将来、英語の使える力をつけたいと望むなら、まず、2000時間を受け入れてください。そして、それを具体化したカリキュラムに従って学習してください。
 こども英語教室は、その時その時、必要に応じて 利用してください。実践的な力を試す場になり、大きな効果が生まれます。直接、具体的な指導も得られます。
 また、教室の先生達も、子供の将来の結果に責任を負って、今のレッスンを考えてください。既に4〜5年も続けている教室なら、自ずと 今までの結果は判っているはずです。

 最後に ひとこと、 私達 21 ON NET は、1級レベルの英語力を 英語のスペシャリスト とは考えません。国際化時代の今日、それが これからの世代の 誰もが必要な Global Standard 国際標準の英語力 と位置付けています。今後、必然的に 国際人として生きなければならない若者達は、この国際標準の英語力が パスポートになります。
 英語能力は、これからの若者にとっては、特技でも、ステイタスでも、自慢するものでもない、極当たり前のこと と認識してください。そして、こども達が、自然に 普通に英語を学ぶ環境を作ってください。このことが、5年、10年の 長期の学習継続に 重要な条件になります。

 家庭での毎日の決められた学習・レッスン、そして、中学終了までの2000時間学習、 それさえOK なら、あとは、私達、指導する者の責任で、富士山の頂上まで、引っ張り、後押しします。
その先に開ける世界は・・・自然に英語を使って、自由に世界中に飛び立てる新しい世代の誕生、きっと、彼らに、日本の、世界の未来を期待できます。

目指せ、富士山の頂を!そう、強く呼びかけたいです。日本中の子ども達に・・・。
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