バルザックの短編小説「知られざる傑作」を現代に移して脚色したこの「美しき諍い目」によってこれまでのヌーベルバーグの指導者として日本ではその名のみ知られたジャック・リベットの作品がついにわれわれの眼に触れることになった。しかも91年、カンヌ映画祭で最高の賛辞をもって迎えられグランプリを受賞した紛れもない傑作である。

あらすじ・・・・・
南仏で妻と二人隠遁生活を送っている壮年の大画家フレンホーフェル。彼は１０年前自らの生涯の大傑作になる筈だった”美しき諍い女”なる絵に妻をモデルとして着手しながら完成前に破棄してしまい依頼画家としての活動にピリオドを打っていた。しかしある日そんな彼の元に若手の新人画家が恋人マリアンヌを伴って訪れてきた。彼女に出会ったフレンホーフェルはマリアンヌをモデルに再び”美しき諍い女”を完成させようという意欲に駆られる。こうして創造の神秘と奇跡の支配する五日間が始まった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（1991年、フランス映画、字幕スーパー、）
　・原作：オノレ・ド・バルザック
　・監督：ジャック・リヴェット
　・絵画：ベルナール・デュフール
　・音楽：イゴール・ストラビンスキー
　・出演：ミシェル・ピコリ、ジェーン・バーキン、エマニュエル・ベアール他