さてさて、その頃
100円ランドマーケット会場では。
いらっしゃいませ、いらっしゃいませ〜
ザワザワザワ……
やっと着いたな。
お〜、やってるやってる。
あ〜?無いの?
今流行の耳専用の帽子が?
うそでしょ〜?
いいねぇ、この熱気。たまらないねぇ。
この広い会場全部が
100円ショップなのね。
有名大手から街の小さな100円ショップまで、
これだけ一堂に集まるなんて、
何だか夢みたい〜。
トントン…トントン…
クルッ
…
はい?あら。
あのねあのね、でもね、おくさん。
サンキの85円均一は
100円じゃないからって
今回は除外なんですってよ。
そ、そうなんですか…
?
そうですねぇ…。
酷いわよね。差別よね、
許せないわ、全く……
ブツブツ
……行っちゃった。
知ってる人?……ぜーんぜん……
あはは、そうなの?……
…
んなこと、100円ショップやスーパーじゃ日常茶飯事よ…
あははは…
…
ん?
うひょひょ〜い!
これも100円かい?
この皿も?
…ホントに?またまたぁ…。
あはっ、驚いてる驚いてる。
100円ショップに免疫のない人って
まだ居るんだな。
ふふふ。それはどうかしら
え?
だって私、あのおじいさん、
街のいろんな100円ショップで
結構頻繁に見かけてるもの。
え?そうなの?
100均に対する免疫だって、
もう十分すぎるくらいあるはずなのに、
でもなぜか、
どの店でも毎回毎回、ああやって
「これも100円かい!?」って驚いてるの。
そいつはいいな。 あはは。
……淋しいんだね、きっと。
……え?
いや、淋しいというより、
まわりの雰囲気をなごませようと
ちょっとおどけて驚いてみせてるんだよ。
まぁそれは、淋しさの裏返しでもあるけどね。
……。
こらっ、あんたたちっ!
そんなこと、大きな声で話すんじゃありません!
シッ、おじいさんに聞こえるじゃないの…!
よう
、
じぃさん、
淋しいんだよなっ?なっ?
バ、バカッ、お前なんてことを‥‥
まったく、調子にのって〜。
聞こえるわよ、ホントにっ!
もう遅いわよ、ママ。
……おじいさん、顔真っ赤だし。
何でみんなよってたかってワシを分析したがるんじゃ…
ワシが一体何をしたっていうんじゃ……ブツブツ。
あらホント、モミジのほっぺ。
ていうか、さっきママが、
おじいさん見かけたって話してた…
あの時点で、もうすでに“紅葉”はじまってたし。
ママ、声大きいんだもんなぁ〜。
会場中に響いてたよ。
あらやだ、そうなの?ふふふ…。
ま、聞こえちゃったものはしょうがない。
はいっ、もうこの話はおしま〜い!解決〜。
かっ、解決って…ワシの心のケアは…
さぁ、あんたたち、300円ずつあげるから
好きなモノ買ってきていいわよ。
わーい!やったやった!!
30分後にこの場所に戻ってくること。いいわね。
は〜い!
……こら、走らないの!!
ったく。
よ〜し、ほんじゃオレも
つり小物でもみつけるとするか……
それとあれだ、後輩の山口君が言ってた
飯島直子のビデオCD
……
待って、あなた。
えっ?何だよ?
例の…出会い系サイトの件なんだけど。
……またその話か。何も今言わなくてもいいだろ!
つづきはこちら。
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