ゾロゾロ…













あら、皆さんお帰り?
えっ?くじは?くじはどうするの??



ヒソヒソ…

もうやってらんないわよね〜。



あんな素敵な歌声を聴いた後じゃぁね〜。
もう勘弁して!って感じ〜。


考えてみたら、クジなんて今時

街にもネット上にもたくさんあふれてるし、
別に無理にあんなライブに耐えてまでねぇ…。

そういうこと!うふふふ…


なるほど、
でもなんかもったいないつーか、


結構レアなんだけどね〜
こんな大バカなライブ。


あら?




ぽつん…



どっよ〜ん




きゃ〜、つらい、つら過ぎる!
だってねぇ!あんなことしでかしちゃってるしねぇ!

君の彼氏になりたいだけなんだよぅ…当分笑えるなこりゃ。


…ぐふふ、もうつら過ぎて見てられないから帰ろっと!



…兄さん

あぁ?


ひとつ聞きたいんだけど…

クジってどうする気だったの?
本当に用意してあったの?



…へ?

用意してあったさ。当たり前だろ?
…景品だってほら。



えっ?

チラッ



う…。



ちぇっ、せっかく用意したのに無駄になっちゃったぜ。
みんなあの宇宙人のチビ野郎のせいだよ、まったく…。




良かった…どうやらオレ達
命拾いしたみたいだよ兄さん。



これ以上進めてたら多分オレ達…


景品らしきもの↑

殺されてたかも…











あ、いたぞ


うぉ〜

パチパチ…パチパチ
わ〜 パチパチ
 おばさん感動したわよ〜 パチパチ


…えっ?ボク?えっ?

パチパチ よかったぞオチビちゃん パチパチ… 


…ど、どうしよう、今までボク、

あんまり褒められたことなかったから
どう反応していいかわからなくて…

でも本当にうれしいです!どうもありがとうございます!!





きゃ〜かわいい!




ビックリッコ音楽振興会会長


ねぇねぇ、今度キミ、
単独ライブやってみない?



えっ?ボクが…ですか?



大丈夫、キミならやれるって!

私にまかせてくれれば
絶対悪いようにはしないわ。


ふふふ、この人ね〜これでも

今までにたくさんの“地域限定”スターを育ててきたのよ
クマちゃんがそう言うんだから絶対間違いないって!




は、はぁ…




まぁ、返事はそんなに焦らなくていいから
ゆっくり考えてみてね。




あ…ありがとうございます!…すみません、
何か夢みたいでボーっとしてしまって…




いい返事待ってるわ♪
…じゃぁ、パンダちゃん帰りましょうか。




あらやだもうこんな時間?
大変、これから私まだやることあんのよ〜。




じゃぁオレ達もそろそろ…


ゾロゾロ…
そうですね、じゃぁ私達も……ではまた…
      バイバイオチビちゃん…  じゃぁね…うふふ…

ゾロゾロ…気をつけてね…



皆さん、

どうもありがとうございました!




さて、そろそろ帰るか…

トボトボ…




ん?


ありがとうございました…



あ…

おい、ダンちゃ……



ん!!?



やべっ、隠れろ…

ササーッ



…皆いい人だな、

この町ならボクもうまくやっていけるかな…



ダンちゃん…



くるっ

…えっ?




…ランちゃん!



ごめんね、ランちゃん
あんな勝手なことして…


きっと困らせちゃったよね…




困る?私が?どうして?




だって…ボク、ランちゃんの気持ちも考えず、
大切な人だとか言って…





ありがとうダンちゃん、凄く嬉しかった。
いっぱい元気出たよ。


でもさ、ランちゃん…ボク…
出過ぎたことしちゃったって本当に反省してるんだ…。


…だってボク、宇宙人だし、
臆病だし、友達少ないし…



……。

ジーッ




えっ?何?どうしたの?
(ひょっとして、めんどくさい奴と思われた?)



ううん、何でもない。

ダンちゃん、そろそろ帰ろっか。



(嫌われたか、やっぱり…)

えっ…あ…うん…そうか…じゃぁ…
ランちゃん、元気で頑張って……




ダンちゃん、じゃぁ、またね!
帰ったらメールするね!




えっ?またね!って…?えっ?メール?


あ、タクシー来た。

次の約束はその時に!じゃぁ!


バタンッ


グウゥゥ〜ン…





次の約束…?




次のや…


え〜〜っっっ!


どうしよどうしよ…

ドタバタドタバタ……

くるっ

どうしよどうしよ…

ドタバタドタバタ……



どうしよどうしよ…


ピポパブブー♪

やっべ、また押しちゃった…
どうしよどうしよ…



ピポパブブー♪ピポパブブー…
あ、…また押しちゃ…あ、また…




ふぅ…



ダンの奴、あのくらいで、
しっかりしろよ、全く。





……フッ





“ダンちゃん、じゃぁ、またね…”



ランちゃん…

ボク、結構前から気になってたんだよね、君の気持ち。

だってさぁ、ダンの前で見せる君の笑顔って、
他のどんな時よりも、飛び切り明るくて、楽しそうで、
メチャクチャ魅力的なんだぜ。

…君は意識してなかったろうけどね。



それに比べてボクの前でみせる笑顔はいつも
なーんか悲しそうでさぁ。


で、その差に気づいてから、正直つらくなっちゃったんだよね。
ま、もともとは優柔不断なボクのせいだけど。


……これからは君に、

あんなつらい笑顔をさせなくて済むんだな。


トゥルルルル トゥルルルル…


あっ。


…はい、もしもし。

あ、お前か。


あ〜、わかったよ、離婚届にはちゃんと判押したから。
明日郵送すればいいんだろ?はい、はい、わかったわかった。


プツン。


…なんだよ、一日も早くあいつと再婚したいってか。


ふぅ…。

ちぇっ、あの後、ボクが「カルアミルク」でも歌ってたら
きっとランちゃんボクに惚れ直して、今頃…

…けけ、未練タラタラ、だっせぇ。




……。

ダンちゃん、



ランちゃんをよろしく頼んだからな。



あ〜、たばこ吸いて〜。
温泉行きてぇ〜…





つづきはこちら。







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