はるちゃんの歌Ⅴ

File　No.　021

「はるちゃんの歌　Ⅴ」

※今回登場のビックリッコ・グッズ情報は
最終ページの一番最後にあります。

↓↓

とぼとぼ…

とぼとぼ…

ピタッ

あ～何かイライラする！

はるちゃんとは二度とかかわらないって
そう決めたのに…

あんなに恐い思いもしたのに…

なのに

はるちゃんのことが
こんなにも頭から離れないってどいういうこと？

イライライラ…

それに、このイライラ感は何？

はるちゃんの不可解な部分をはっきりさせない限り、
このイライラは続くわけ？

イライライラ…

あ～、だめだ、もう我慢できない！

きりっ

よしっ！

くるっ

タッタッタッタ…

タッタッタッタ…

（もうこうなったら、はるちゃんの心の奥底を覗いたひよこちゃんたちに
はるちゃんの秘密を教えてもらうしかないわ。）

あっ、

いたいた。

ね、ねぇ！

ひ、ひよこちゃんたち！！
はぁはぁはぁ…

くるっ

あれ？あの時のおねえちゃん。
なーに？なになに？なーに？。

ちょっとお願いというか…相談したいことがあるんだけど。

ん？

ん？

あ、チョット待って…

ジーッ

ん？？

ジーッ　

ジーッ　ジーッ

え？あの…ひよこちゃん？。

あ～。

はるちゃんってこの前の…
ふむふむ、なるほどなるほど。

はるちゃんの心の中を知りたい…

あ～そうかぁそうかぁ。うんうん。

（まだ何も言ってないのに…）

！！
（うっ、まさか勝手に人の心の中を読んでる？）

（でも例の“あいさつトラブル”があったわけじゃないし…）

（私の心を軽～く読んで、私の頼みを
手っ取り早く把握しようとしてるだけだって…。）

（心の奥底にまでは入ってこないでしょ…）

あれ、ちょっと待って…

あれぇ～？

あ～辰二郎だ～……くすくすくす…

えっ？

（たつ…っ！？）

ぎくっ！！

（ま、まさか…）

（…あのことを読まれてるってこと！？）

（ひよこちゃんたち、私の心の奥底まで覗いてる……！？）

（…うそっ！えーっ！？ななななんでっ！？）
（私、別にひよこちゃんたちを怒らせるようなこと何もしてないのに）

（どどど、どうして！？）

辰二郎とは

ずいぶん渋いところを…

……。

辰二郎っていくつだっけ…

辰二郎は確かごじゅう…エヘッ、忘れちった♪

辰二郎辰二郎って…

人生の先輩を呼び捨てしちゃだめでしょ…

あ、わかった。今ピーンときた。

辰二郎の年はねぇ……

せーの…

♪こーとし　ろーくじゅうの　おじいさん♪

↑↑
童謡「船頭さん」より

おじい…さん。

（てか、６０歳だったのか…うひゃ～。）
※この「うひゃ～」はいい意味での「うひゃ～」です。
。

♪おじいさん…おじいさん…おじいさん…♪

♪おじいさん…おじいさん…おじいさん…♪

きゃっきゃっきゃっ

♪おじいさん…おじいさん…おじいさん…♪

“おじいさん”とこばかりなぜ繰り返す…

くすくすくす…

だってほら、おねえちゃん初恋の人も…
…おじいちゃんだし。

そうそう、辰二郎より
ずぅっとずうっとおじいちゃん！くすくす…

（はぁ？）

？？

（私の初恋の人が…おじいちゃん？）
（なんだ？それ。いつの話？全然覚えが…）

…あ。

　　　　　　　　　　フッ…

（！）

（うっ！！）

カッーッ！！

（自分では全然覚えが無いけど…）
（全く記憶に無いんだけど…）

（でも今、アノ顔が心に浮かんだってことは…）

（私の初恋の人が…あのサンタのおじい……っ！！）

いや～ないないない…

（でもなんでサンタのおじいさんの顔なんか……）

　　　　　　　　　フッ…

うひょひょ…

サンタのおじいちゃん
…ちゅきちゅき　だいちゅきー…

ひっ！！

（なに今の…やだ…こわっ…こわっ…こわーっ！！）

(だ、だいちゅきーって…）

(そそそ、そんなわけなななない……）
ぶるぶるぶる…

フッ…

うひょひょ…

サンタのおじいちゃーんの
おひげさわりたーい…

！！

ひぇー！！！！！

（あわわわ…そそ、そんな…）

（いや、今のは私の心が勝手に作った嘘の記憶…）

（…ただの想像だって！）

（でも、さっき感じたあのリアル感…とても想像とは思えない…）

（本当に私の初恋が…サンタのおじいさん！？）

がくがくがく…
ぶるぶる…ぶるぶる…

あとねーあとねー、は…

(…あっ、もういいっ！やめてっ！！）
（これ以上ほじくり出されたら頭がおかしくなっちゃうよ！！）

ちょっ、ちょっ、チョット待って！

勝手に人の心に踏み込んでこないでよ！

………。

だ、だって、ひよこちゃんたちが
心の奥底の触れられたくない部分を勝手にほじくり出しちゃうのは、
私がひよこちゃんたちの挨拶を無視したらでしょ？

今日のひよこちゃんたち、
別に挨拶求めてこなかったじゃんっ！！

ん？

ん？

言ったよね～、こんにちはー。

こんにちはー、言ったよね～。

いやいやいや、

うそうそ、絶対言ってない…
絶対聞いてない！（大声）

はぁ～。

な、なによ～。だってホントに…

ヒソヒソ…ヒソヒソ…

ヒソヒソ…ヒソヒソ…

ヒソヒソ…ヒソヒソ…

ん……？

　　？？？

ヒソヒソ…ヒソヒソ…
ヒソヒソ…ヒソヒソ…

……ごほんっ。
え～と、なんか言ってますけど…　

ヒソヒソ…

ヒソヒソ…

ちらっ

ん？なになに？

じーっ

………。

くるっ

ヒソヒソ…ヒソヒソ…
ヒソヒソ…ヒソヒソ…

ちらっ

な、なんなのよ、一体。

あ。

くるっ

うんうんうんわかるわかる

ねっ！でしょ？でしょ？

ちらっ

うふふふふ…笑える～。

カチンッ

（カッ、カンジワルッ…）

もう～！

いい加減にしてよっ！！

……。

こわ～い。怒ってる～。

怒ってる～。こわ～い。

あのお姉ちゃん、こわいんね～。

こわいんね～、あのお姉ちゃん。

あたりまえじゃないっ！
さっきかから私のことバカにして！

もうこうなったらこっちだって
ただじゃおかないんだからねっ！！

……。

黙ってないで、

何とか言いなさいよっ！！

ぴよぴよぴよ♪

（えっ？）

ぴよぴよぴよ♪

ぴよぴよぴよ♪

ぴよぴよぴよ♪

ぴよぴよぴよ♪
ぴよぴよぴよ♪

このタイミングでひよこ鳴きとは…

な、なんて卑怯な…

そ、そんなんでごまかせると思ったら大間違い…

（うっ！）

ぴよぴよぴよ♪
ぴよぴよぴよ♪

ぴよぴよぴよ♪
ぴよぴよぴよ♪

（…か、かわいい）

キュン…

（だめだ、なんか後ろめたくてこれ以上強く言えない…）

ぴよぴよぴよ♪

…でも私、ホントに、

ひよこさんの挨拶無視なんてしてないもん…
…ホントに聞いてないもん…ブツブツ

ぴよぴよぴよ……ピタッ

はぁ～

しゃーねーなー。

可愛い声して、言葉、わるっ……。

じゃぁ…証拠見せちゃおうっかなぁ。

さっきのシーン、プレイバック！

↓↓

ね、ねぇ！

ひ、ひよこさんたち！！
はぁはぁはぁ…

くるっ

あれ？あの時のおねえちゃん。
なーに？なになに？なーに？。

ちょっとお願いというか…相談したいことがあるんだけど。

ん？

ん？

ほらー、

ほらほらーっ！ひよこちゃんたち挨拶してきてないじゃ…

あ…

（…言ってる！）

そんなぁー、あーんな誰も気づかないようなちっちゃい声でー？

そんなのわかるわけないじゃないっ！！

こ、こ、こらっ！！
そういう、人を引っかけるようなズルいことしちゃだめでしょ！
まだ子供なんだからっ！！

………。

…ん？…えっ？

ごめんなちゃぁい…　

　　　　しゅん…

（あれ？ひょっとして反省してる？）

べ、別に、わかればいいんだけどね…

えーん、えんえん

えーんえんえん

えーんえんえん
えーんえんえん

（えっ…えっ…？）

えーんえんえん
えーんえんえん

（…ここまで明らかな嘘泣き、見たこと無いわ）
（ふた昔前のヘタな子役だってここまで酷くない…）

ニヤニヤ

えーん、えんえん

ニヤニヤ

えーんえんえん

（なんだそれ…）

えーんえんえん…
えーんえんえん…
えーんえんえん…
えーんえんえん…

（しかも長いし…）

えーんえんえん…
えーんえんえん…
えーんえんえん…
えーんえんえん…
（10分経過）

……。

えーんえんえん…
えーんえんえん…
えーんえんえん…
えーんえんえん…
（20分経過）

はぁ…

だめだ、もう耐えられない。

えーんえんえん…
えーんえんえん…

わ、わかーったわかーった。

おねえちゃんが悪かった！ごめんなさいっ！！

えーんえーん…

ピタッ…

あらまぁ～、おくさま。

あらまぁ～。

ま、わかりゃーいいんだよ。

そ、わかりゃーいいんだよ。

…はい。

これからは気をちゅけろよ！

気をちゅけろよ！クスクスクス

はいはい…

わーい勝った勝ったぁ～…きゃははは…

（勝っ…？）

（はぁ～）

（何なの？これ。）

（てか、このクダリ、いる？）

…ご、ごめんなさい。調子に乗りすぎました（caico）

つづきはこちら。

ビックリッコ大集合トップへ
100円ルンバトップへ