↓↓


…で、話って?




あ~…



ちゃんと話さなきゃ…

あの…


さっきのあの三人って…





よくここにくるんですか?



はい、よくいらっしゃいますね。オープンの頃からずぅーっと。
いつもコーヒーを飲んで帰られます。

とても明るい、いいお客様がたです。




いいお客様…



みなさん、まだまだ若造の私のことを
心配してくださっていて…


よくアドバイスしてくださるんですよね、
店のこととか人生相談も…


特にサンタのおじいさんは、自分のことのように
親身になってくださって…お店のプロデュース的なことまで…




あ、あの!!



はい?


それ…

違うと思います!!




違う?





アノ人たちは、大人しくて人のいい店長さんを、
だましてからかって、面白がっているんです!




え~?

やだなぁ、そんなことないですよ。
あはは…





特にサンタのおじいさんは
一番気をつけた方がいいと思います。


アノ人は若者にウケることばかり考えてる人で…
そのためなら嘘もつくし、おどけるし、わざとらしい行動ばかりとって…




へぇ…そうなんですか。知らなかった。
いろいろお詳しいんですね、そんなに小さいのに…





私はあのおじいさんのことを
ずぅーっと注目してきたから知ってるんです。

あのひとはいつだって…



そうですか…

嘘をついたり、おどけたり、わざとらしい行動を取れば
若者にウケるんですね。




今度僕もやってみようかなぁ…。




店長さん…何言ってるんですか…?




今度サンタ先生に直接指導していただこうかなぁ。




(はるちゃん…何か変…)

(話がかみ合わないというか…)

(まるで何かに洗脳されてるみたい…)



あっ、そうだ、あのお父さん、

せめて店長さんのお父さんに一度相談してから
ものごとを決めた方が










キッ!


  …あん?






ビクッ!!




ジーッ




ジーッ



あ…あ…


(はるちゃん、今までと雰囲気違う…)




店長さんのお父さんって…

お嬢さん、おやじのこと知ってるんですか?




いえ…あの…その…お店の前で世間話的なことを
ちょこっとだけ話しただけで



へぇ~。じゃぁ
おやじのこと何にも知らないのも同然だ。


そんなあんたがどうして俺に「一度お父さんに相談してから」
なんて言うんですかね。





あんた…?





けっ



(何?これ…何?急に…)





大体何なんだよ…いきなり押しかけてきて…




(ど、どうしよう…)

(恐いよ…ママ…お兄ちゃん…)

ぶる…ぶるぶる…





こんにちは~






えっ?



あ…




ピョコ…ピョコ…




ピョコ…ピョコ…






こんにちは~


うんしょ…よいしょ…よっこらしょ…
(ただ今、小さな身体で一生懸命カウンターに上ってます)




ピョコ…ピョコ…



ぴたっ

くるっ




こんにちは~。



あ…

そうだ…



関連エピソード→ビックリッコFile No.016「とにかく今夜はビートイット!」

この子達、あいさつ返さないと結構面倒なことになっちゃうんだよね…)





こ、こんにちは~。




うふふ、こんにちは~。



ほっ

(あぶないあぶない…)


くるっ


こんにちは~?




ボーッ

……。




て、店長さん、早く返事しないと…

この子達、店長さんの心の奥底に入り込んで、
店長さんが触れて欲しくない部分をどんどん掘り出してきちゃう…


と、とにかく、返事して!返事!!



ボーッ

…えっ?えっ?

↑↑
怒りモードに入っていたため、興奮して
目の前の状況がなかなか理解できない





あれぇ~?

あれぇ~?


くすくす…くすくす…



おーじーちゃん!こんにちは~。




こここ……こん…
(焦って、うまく口がまわらない)





あ、だめだもう…間に合わない…


(ん?)

(でも、これって、ひょっとして)






(はるちゃんの心の中を覗き込む…)

(はるちゃんの謎を解く、いいチャンスなのかも…?)





くす、くすくす…

あのおじちゃん、おかしいね~。




おかしいね~、あのおじちゃん。




(いよいよ…)

(いよいよはるちゃんの謎が…明らかに!?)


ごくん…





あれぇ~?

あれぇ~?





あ~なんか、おうたがうたいたくなってきたかも~。

うふふふ、そうかもそうかも~。




歌?




……


うふふふ…じゃぁ、せーの…



♪はるいちばんが~ そうじしたての さっしのまどに~

ほこりのうずを おどらせてま す~♪


♪すなまじりの ちがさぁき~ 

ひとのなみも きえてぇ~♪



♪て・を・あわせて みつめるだけ で~

あ・い・しあえる はなしもでき る~♪



♪あんたに あげぇ~たぁ~ あいのぉ ひびをぉ~

いまさら かえせ~とぉは~ いわなぁい わぁ~♪




これって……懐メロ?




♪こどもたちが~ そらぁにむかいぃ~ りょうてをひろげ~ ♪

(あ、ママがよく口ずさんでる曲だ…)



あぁ~ はてしない~ ゆめをおいつづけぇぇぇ~ あぁ~いつのひか~ おおぞらかけぇめぐる~


(なになに?どういうこと?)


(はるちゃんと懐メロメドレー…一体どういう関係があるの?)



あわてないで およめさんば~ おんなはぁ いつもぉ  みすてりぃ~♪ 


ちらっ

(はるちゃん…)





(特にかわった様子は…)

(あ、でも…)



ガタガタ…ガタガタ…


(僅かに…震えてる?)




あれぇ~?

あれぇ~


クスクス…じゃぁあれは?


せーの…


♪かなしけりゃ ここで おな~き~よ

なみだふく はんかち~も~ あるし

あいが~こわ~した~ きみのこころを

やさしくつつむ~ いすもある♪




(あ、「失恋レストラン」だ)

(この曲はよく知ってる。)
(お父さんが家族カラオケの時に必ず唄うから…)





あっ!!




ガタガタガタ…

ガタガタガタ…



(はるちゃんの震えが…)

(めちゃくちゃ大きくなってる…っ!!)




…もう おど~ける こともない いまは~



ねぇ~ますた~ つくってやってよ~

なみだ わ~すれる かくて…





うわぁぁぁーっ!!!



ひっ!

!!




…る~♪




…なになに?おじちゃん どうしたの?
(白々しく)




はぁはぁはぁはぁ…




はるちゃん…



おぅ、はるちゃん、どうした?
大きな声だして。





(あ、あの声)


くるっ





!!

(は、はるちゃんのお父さん!!)






あれ?お嬢ちゃん、来てたの。





あ、はい。こんにちは~。




こんにちは~。



はい、こんにちは~っと。



はぁはぁ…

おやじ…てめぇ…


店の人間ヅラして
勝手にあいさつなんかしてんじゃねぇよ、
このツルッパゲじじぃがぁっ!

はぁはぁ…




……。


なになに?今なんつったの~?はるちゃん。


ぐうぉほんっ…あー、
お客さんの前でツルッパゲはよしたまえ、はるおくん。

…なんてな!がははははは…




うるせ~だまれボケッ!!




ひっ!



はぁはぁ…

はぁはぁはぁ…こうなったのも……おやじ……はぁはぁ
全部おやじ…お前のせいなんだよ…


えっ?

じーっ




!!



…ちっ



くるっ

ボロ…
↑ ↑
後ろから見るとさらにボロさが目立つ



ダーッ…






おい、はるちゃん、どこいくんだよっ!!






…ったく、何考えてんだ。あのバカ。




ちらっ


あはは、あいつ、お客さん置いて
どっか行っちまいやがった…






……。




なんか、悪かったんねぇ~。
今回はこのおじちゃんに免じて許してね~。

あ、そうだ。おじちゃんがそうめんでも茹でてやろうか?
10分待ってくれりゃぁ出来るからさ…



ズキッ 
(そうめん…)







さ~て、鍋、鍋、鍋と…



あ~、いや、

そんな、お構いなく…私そろそろ帰らないと…




♪そうめん出るから か~えろ♪

♪そうめん出るから か~えろ♪



!!

ひ、ひよこちゃんたち、何てことをっ!!)



ご、ごめんなさい…せっかく…








あ、あの~、じゃぁ




おじゃましました!


くるっ




ダーッ






……。





タッタッタッタ…





タッタッタッタ…

クッ……

(泣きたくないのに、勝手に涙が…)

(全然泣きたくないのにっ…!!)





(だって…)

(恐かったんだもん…)

(本当に…恐かった…




(…ママ!)







とぼとぼ…





今日のブックオフ、収穫な~し。

さて帰ってゲームでもやりますか。



おっ、





ダーッ




あれ?あいつ何してんだ?



ちらっ







…あいつまたこの店に行ったのか。
一体何を気にしてんだか。


おっ、





てくてく…


はるちゃんのお父さんだ…





あ~ほら。

はるちゃんのお父さんが着てるジャケットって…







やっぱり、あれだよな…。





つづきはこちら。







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