お茶漬け
シンプルにして清雅かつ滋味深い一杯の茶漬けは至福の食なり。

ご飯は炊きたてのあつあつが美味しい。でも残ってしまったら。
ご飯は保温してとっておくと、時間とともに風味が落ちてしまう。そこで残ったご飯は冷蔵庫に保存します。その冷えたご飯は、そうお茶漬けにするのが一番。茶漬けとは冷や飯をいかに美味しく食べるかを追求した答えなのだから。簡単かつ滋味深い料理の一品です。

作り方
ご飯は冷えているのでレンジで温める。この上にありものの具をのせ、お茶をたっぷりと注ぐ。これで出来上がり。ウルトラ簡単でしょう。お茶は煎茶が一般的だが、具によっては番茶やほうじ茶も美味しい。もし、ワサビや海苔、ごま、ミツバなどの薬味があればさらによしである。これに香の物などがあると、冷や飯から出来た一杯のお茶漬けは至福の食となるに違いない。
もっと本格的に食べたいというのならば、だしを使う。こんぶだしでもカツオだしでもよし。これをお茶をかける前に、3分の1から2分の1くらいを注ぎ、次いでお茶を注ぐ。茶とだしの旨味は口の中で広がり、思わずもう一杯食べたくなるだろう。

カツオ茶漬けカツオ、しょうゆ、ショウガ、番茶
初夏の初ガツオはさっぱりとして旨い。まずカツオをしょうゆに10分ほど漬けてから(ズケという)、ご飯の上に並べ、しょうゆをちょっとたらす(
カツオをつけたしょうゆは使わない)。できればおろしショウガを盛り、熱い番茶をたっぷり注ぐ。沼津では「まご茶」ともいわれ、漁師が船上で食べる豪快な茶漬けである。

イクラ茶漬けイクラ、大葉、海苔、ショウガ、しょうゆ、煎茶
イクラは鮭の卵。筋子をバラバラにした粒をいう。ごはんの上に細切りの大葉をちらし、イクラをのせる。もみ海苔とショウガを添え、しょうゆをたらして、熱い煎茶を注ぐ。

天茶漬けてんぷら、塩、煎茶
北大路魯山人が愛したというてんぷらの茶漬け。残り物のてんぷらを火で少し焦がし目にあぶり、これをご飯にのせ、塩を少々ふり、煎茶をかけて食べる。ただこれだけのシンプルさが食べることを愛した芸術家の極みなのだろう。


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